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デイビッド司教代理へのインタビュー

2017年3月12日(日)の夕方、エルサレムで出会ったクリスチャン神父の紹介でデイビッド司教代理(ユダヤ人)に会えることになりました。この時は、司教代理が私の質問に答える形で20分ほどの質疑応答の時間を取っていただきました。以下はその時のメモ書きに基づく概要です。

「メシアニックジューのコングリゲーション(会衆)は、イスラエル全体で100以上ある。人数としては5万から6万人であるが、その多くは本当のユダヤ人ではない。」

「彼らは三位一体も新約聖書も信じており、洗礼の秘跡も執り行っているが、その神学は秘跡論と教会論が弱い。カトリック教会よりも、バプテスト教会やペンテコステ教会に近い。聖書の読み方においてはファンダメンタリスト(原理主義者)に近い。」

「彼らはキリスト教の行事(復活祭やクリスマスなど)をほとんど行っていない。ユダヤ暦にしたがって土曜日(安息日)に集会を開いている。旧市街のアングリカンのクライストチャーチで土曜日にオープンな集会があるので行ってみるとよい。」

「2000年以降、バチカンはメシアニックジューと継続的に対話を行っている。これはバチカンがメシアニックジューの存在を興味深いと考えているからにほかならない。」私がピーター・ホッケン神父(注:2016年のカトリック聖霊による刷新関西大会の講師候補者に当初なった人)の名前を挙げると、「彼もバチカン側のメンバーだ。しかしすでに高齢である」とコメントされました。

メシアニックジューについて学びたいので、いい本を紹介していただきたいとお願いしたら、以下の4名の有名なメシアニックジューの名前を即座に挙げてくださいました。
1 Mark Kinzer
2 Richard Harvey
3 David Rudolph
4 Daniel Juster

クリスチャン神父が「イスラエルではユダヤ人がキリスト教に改宗すると仕事を失ってしまう」と言われたことを話すと、「イスラエルには宗教の自由があるので、ユダヤ人がキリスト教に改宗することはできる。仕事を辞めなくてはならないというのは間違いである。しかし、友人を失うといったマイナスはあり得る」とのことでした。

「1948年から1970年?までは、ユダヤ人の移住についてはっきりしない部分があった。これは有名な事件であるが、1958年、カルメル会の祭服を着た司祭(母親がユダヤ人)がテルアビブのベングリオン空港に降り立ち、移民法に基づき移住申請しようとしたが、大騒ぎになり、結局、裁判所で争われ、最終的に最高裁判所で拒否された。キリスト教徒のユダヤ人はあり得ないというのがその結論だった。しかし、司祭は数年後、修正条項の適用を受けて、移住することができた。ユダヤ人を救った者は例外扱いできるという規定があったからである。

ユダヤ人というのは、母親がユダヤ人か、ユダヤ教に改宗した人のことである。カトリック教徒のユダヤ人はあり得ないが、ユダヤ人の伴侶としてならカトリック教徒でも移住はできる。」

パレスチナ問題解決のための二国案について意見を聴くと、「パレスチナ問題は正義に関わる問題である。私は二国案を支持しているが、一国案でもよい。その場合は、世俗国家にして宗教の自由を保証することが必要である」との回答でした。ちなみにクリスチャン神父は、二国案だと戦争がいつまでも続くことを意味するので、ヨルダンなどの周辺国を含めて一つの国をつくるのがいいと言っていました(この件については、十分な人数からの意見を聴けなかったので、あくまでも参考です)。

なお、デイビッド司教代理によると、カトリック教会はイスラエル国家を聖書のイスラエルと同一視していないそうです。メシアニックジューの集会の説教で、「イェシュアが再臨されると今のイスラエル国家はイスラエル王国に変わる」という表現があったので、その認識には大きな開きがあるように感じられました。

「ヘブライ語を話すカトリック信徒の組織であるが、イスラエルには司教区に代わる組織があり、エルサレムなど6カ所に小教区がある。」

ユダヤ人の改宗の努力をしているかと聞くと、「まずカトリック信徒が真のクリスチャンになることが必要である。彼らは我々をよく見ている」との回答でした。

日本ではメシアニックジューに関心を持つカトリックの聖職者にほとんどお会いしたことがなかったので、イスラエルでデイビッド司教代理にお会いしてメシアニックジューについて詳しい話を聞き、さらに優良な情報源を確認できたことは大きな収穫でした(なんでこんなインタビューをしなければいけないのかとクリスチャン神父を恨みましたが、デイビッド司教代理が4名の有名なメシアニックジューの名前を即座に挙げられたときは、内心、「この人はすごい!」と舌を巻きました)。

なお、デイビッド司教代理は、イエズス会士なので、広島のエリザベス音楽大学のある司祭のことや上智大学で学長をしておられたピタウ神父のことを知っておられました。私はイエズス会の経営する学校に通ったのですが、彼がイエズス会士でなかったなら、今回、お会いする勇気はなかったかもしれません。

その翌日、ベトレヘムでデイビッド司教代理に再会しました。生誕教会のカテリーナ聖堂で一人でロザリオの祈りをしていると、司教様方が大勢入って来て、その中にデイビッド司教代理の姿があり、何と異邦人の私に気づいて手を振ってくださいました。ベトレヘムで司教会議が開催されたようです。彼との再会は私にとって一つのしるしとなりました。