カトリック聖霊による刷新の公式サイト(https://ccrjapan.org)…
写真は、ナザレの受胎告知教会の中にあったマリア像ですが、どう見てもアラビア風です。実際、受胎告知教会の通常のミサはほとんどがアラビア語で行われていました。つまり、イスラエルでクリスチャンといえば通常、アラブ人なのです。
2枚目の写真は、エルサレムのフランシスコ会系修道会のゲストハウスで受付の仕事をしていたクリスチャン女性です。「あなたは非常に美しいので私の記憶にとどめたい。写真を撮らせてほしい」と言ったら、「ちょっと待って」と言って仕事を中断しポーズを取ってくれました。彼女はアラブ人ですが、自由な服装をしています。実際、エルサレム市内で、黒い服で体全体を被っている女性はあまりいませんでしたし、顔を隠している女性はほんの数人しか見かけませんでした。
イスラエルの人口は約860万人ですが、その内訳はユダヤ人が75%、アラブ人その他が25%です。全人口に対するユダヤ教徒の比率は75%、イスラム教徒は17.5%、キリスト教徒は2%となっています。つまり、統計上は、ユダヤ教を信じていても信じていなくても、ユダヤ人全員がユダヤ教を信じていることになります。
メシアニックジュー達はキリスト教に改宗したという認識は持っていませんので、彼らはユダヤ教を相変わらず信じていると言ってもいいのかもしれません。ただ、メシアとしてのイエス・キリストを拒否したファリサイ人的なユダヤ人ではなく、イエス・キリストをメシアとして受け入れた初代教会時代のユダヤ人と同じという認識だと思います。
私がイスラエルに行って意外に思ったことの一つは、どこの町や村に行ってもイスラム教寺院があることでした。イスラエルでは宗教の自由が保障されているとデイビッド司教代理(後述のクリスチャン神父の紹介で会うことができた)は言っておられましたが、実際問題としてはどうなのでしょうか。
ユダヤ人がキリスト教に改宗し、その事実がばれると仕事を失ってしまうと、エルサレムで出会ったクリスチャン神父は言っておられました。それに対してデイビッド司教代理はそんなことはないが、友人を失うことはあり得ると言っておられました。いずれにしても、私たち日本人が職場で自分がクリスチャンであると表明するのとは大きな違いがあるようです。
クリスチャン神父は、エルサレムにあるフランス聖書考古学研究所で20年以上聖書を教えておられましたが、イスラエル国内で仕事をする許可(work permit)は得ておらず、今もビザを更新し続けています。給料を得ることができないので、外国からの寄付で生活費を得ていると言っておられました。それだけキリスト教が抑圧されているということだと思います。
実際、イスラエルにおいてはキリスト教に対するアレルギーが非常に強く、たとえば、私たちが足し算で使う「+」の記号は、キリスト教の十字架を連想するということで公教育では使われておらず、Tの字を逆さにした記号が代用されていると聞きました。
イスラエルに限りませんが、ユダヤ人のキリスト教に対するアレルギーは、クリスチャンがユダヤ人を迫害してきた歴史に由来があるようです。
たとえば、1492年、スペインはカトリックに改宗しようとしないユダヤ人10万人以上に対して4カ月以内の国外退去を命じました。カトリックに改宗してもユダヤ教の慣習を秘密裏に守っているユダヤ人を見つけると、拷問や火あぶり等の厳しい弾圧を加えました。
参考までに、ユダヤ人迫害については、アメリカのペンサコーラリバイバルで活躍したユダヤ人のミカエル・ブラウン師による『教会が犯したユダヤ人迫害の真実』(1997年マルコーシュ・パブリケーション発行)に詳しく書かれています。
彼は、「全世界的にクリスチャンたちが過去あるいは現在、ユダヤ人に対して犯した罪を悔い改めるならば、ユダヤ人がイスラエルの過去あるいは現在の、イエスに対する罪を悔い改める日が速やかに来ると確信しています」と述べています。