• 思いがけず聖霊の風の恵みを受けたカトリック信徒が、聖霊刷新とは何か、Jacky のニックネームで具体的に説明するサイトです。テーマは、預言的執り成し、預言、いやし、悪霊からの解放、イスラエル、アメリカ、メシアニックジュー、エキュメニズム、マリア崇敬、聖マリアの汚れなき御心の勝利、第二の聖霊降臨など多岐にわたります。聖霊刷新関連の本もたくさん紹介しています。

世界最大規模の「プロライフの行進」

2017年1月21日に米国の首都ワシントン中心部や各地で行われた、トランプ大統領に抗議する「女性の行進」については、日本の主要新聞各誌で大きく報じられました。

ところが、その翌週の1月27日に同じワシントン中心部で開催された「プロライフの行進」についての記事は、日本のどの主要新聞にも載っていませんでした。何十万人もの人々が集まったと思われる世界最大規模のプロライフの行進だったのですが、日本人には関係ないと判断されたのでしょう。

その後に届いたカトリック新聞を読みましたが、一面トップに「壁を壊して橋を-米・メキシコ教会指導者 米国の大統領令を非難-」という記事はあったものの、プロライフ行進に関する記事は、残念ながら載っていませんでした。

この「プロライフ行進」というのは、アメリカの連邦最高裁判所が1973年1月21日に全米で中絶を合法化して以来、翌年から毎年、中絶に反対する人々の団体がこの時期に首都ワシントンで行っている平和的な行進です(今回で44回目です)。もちろん、カトリックの司祭、修道者やカトリック大学の学生たちも大勢参加しています。行進の前には大聖堂でミサがささげられましたし、行進の最中に跪いて祈る人々の姿も見られました。

アメリカのメディアは、従来から軽視していたこの行進を、今回はある程度(特に連邦最高裁判事の補充に絡めて)報道しましたが、「女性の行進」に比べるとその扱いはかなり小さかったようです。

特筆すべきは、今回、米国副大統領が初めてこのラリーの冒頭で応援のスピーチをしたことです。

アメリカでは同性結婚が2015年に連邦最高裁判所により合法化されています。しかし、今、欠員となっている連邦最高裁判事が今度、保守派から選ばれれば、中絶や同性結婚を非合法化できる可能性があります。

いろいろ物議をかもしているトランプ大統領ですが、中絶反対ということについては、私たちカトリック信徒も大いに賛同できます。ちなみに、福音派(エバンジェリカル)のクリスチャンとプロライフのカトリック信徒の多くは大統領選挙でトランプ候補に投票したようです。

プロライフ行進の詳細は、次のカトリック系のEWTNのYouTubeニュースをご覧ください。冒頭に行進の様子とペンス副大統領の演説シーンが出てきます。https://www.youtube.com/watch?v=ZBu40KFuWLM&t=204s

このニュースに関連して、哲学者ピーター・クリフト(Peter Kreeft)がその著書『エキュメニカル・ジハード(Ecumenical Jihad: Ecumenism and the Culture War)1994年』の中で手際よく説明している「サタンの戦略」を以下に再掲します。

>>>>>

サタンの戦略は意外とシンプルです。

<第一部 サタンの7段階の戦略>

ステップ1:サタンの究極の目的は、自分のために魂を勝ち取ることです。

ステップ2:その目的を達成するために、社会を堕落させていきます。この方法は、他人を気にする同質的な社会で特に有効です(良い社会は、善人であることが簡単な社会ですが、悪い社会というのは、悪人であることが簡単な社会であるといえます)。

ステップ3:社会を堕落させる最強の方法は、社会を構成する基礎的な組織である家庭を破壊することです。家庭というのは、ほとんどの人々にとって、生きていく上で最も大切なこと、非利己的な愛を学ぶことのできる唯一の場所だからです。

ステップ4:家庭は、その基礎である安定した結婚生活を破壊されることによって破壊されていきます。

ステップ5:結婚生活は、貞節が守られなくなることによって破壊されていきます。

ステップ6:貞節は、性革命によって破壊されていきます。

ステップ7:性革命は、主としてメディア(そのほとんどは敵の手中にあります)によって宣伝されています。

性革命は、恐らく、歴史上、どの政治的、軍事的革命よりも破壊的であると言えるものとなるでしょう。なぜなら、それは、私たちの生活だけでなく、命そのものの源泉にふれるものだからです。道徳(倫理規範)の中で、性に関する規範ほど革命的に変わったものは他にありませんが、それは一時的なものであり、サタンは別の分野でも攻撃を加えてくるでしょう。すでにオランダやオレゴン州では、安楽死が合法化されています。

性革命の劇的勝利は、堕胎が当然のこととして社会的に認知されるようになったことです。道徳の中で、誰もが当然のこととして挙げるのは、「汝、殺すなかれ」ということですが、性革命は、この部分で、人々の良心をも堕落させてしまいました。堕胎というのは、セックスをしたいが故に赤ん坊を殺すことです。セックスに関係なければ、堕胎が合法化されることはなかったでしょう。誰も無意味に赤ん坊を殺したいとは思わないからです。堕胎は、産児制限の一形態として要求されます。産児制限が要求されるのは、赤ん坊をつくらないでセックスをすることが要求されるからです。

>>>>>

2017年1月23日付の朝日新聞の朝刊にマイク・ペンス副大統領のことが、「福音派(エバンジェリカル)と呼ばれる宗教右派からの信頼が厚い。インディアナ州知事時代、同性愛者らを事実上差別する条項を盛り込んだ法律を成立させた」などと紹介されていました。この副大統領がプロライフのラリーで運動を支持するスピーチをしたことは、プロライフの行進にとって歴史的な出来事となりました。トランプ大統領も、中絶を行ったり支援したりしている外国の団体への財政援助を禁じる大統領令に署名しましたし、ツイッターでこのラリーを支持しました。

アメリカの教会が、中絶や同性結婚が非合法化されるように祈り、それが実現されることになれば、つまり「サタンの戦略」に打ち勝つことができるならば、アメリカは神から大いに祝福されるようになると私は信じています。