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「子供とその母親」の深い意味

ある匿名の神父のブログ(すでに廃止されています)がとても勉強になったので、そのブログから学んだことを分かち合います(そのまま引用した箇所もありますが、私なりにアレンジしています)。

マタイ福音書の中には、世間の常識で考えるとおかしな言い方があります。

「起きて、子供とその母親を連れて、エジプトに逃げ、わたしが告げるまで、そこにとどまっていなさい」(マタイ2・13)。普通だったら、「起きて、あなたの子供と妻を連れて、・・・」でいいのですが、主の天使は、わざわざ微妙な表現を使って、ヨゼフに指示したのです。その4年後も、「起きて、子供(the child)とその母親(his mother)を連れ、イスラエルの地に行きなさい」と主の天使がヨゼフに指示しました。「起きて、あなたの子供(your child)と妻(your wife)を連れ、イスラエルの地に行きなさい」とは言っていないのです(your children とも言っていないので、4年間のうちにイエスに兄弟姉妹が一人もできなかったことが分かります)。ヨセフ自身を主語にした文章でも、同じ表現が用いられています。「ヨセフは起きて、幼子とその母を連れて、イスラエルの地に帰って来た」(マタイ3・21)。

After Herod died, an angel of the Lord appeared in a dream to Joseph in Egypt and said, “Get up, take the child and his mother, and go back to the land of Israel, because those who tried to kill the child are dead.” So Joseph got up, took the child and his mother, and went back to Israel.

たとえば、大天使ガブリエルのマリアへのお告げは、マリアしか知りえないことですし、マリアのエリザベト訪問時の二人のやりとりも、高齢のエリザベト亡き後はマリアしか知りえないことです。イエス誕生の出来事も、ヨセフ亡き後は、マリアしか直接的には知り得ないことです。これらの出来事がマタイ福音書に記載されているということは、マリアと同じ時代に生きたマタイが、イエスの昇天後、マリアに直接聞いて、これらの出来事を記録したと考えるのが一番理に適っています。つまり、これらの出来事は、聖マリアに対する愛と尊敬のために、ずっと後に花咲いた伝説ではなく、キリスト教の始めから知られていた真理であるということになります。

主の天使が、ふざけて、「子供と妻」という意味で「子供とその母親」と言ったはずがありません。なにせ、聖書に載っている言葉です。ヨセフと、ヨセフから話を聞いたマリアと、マリアから話を聞いたマタイの三人は、その言葉の意味について共通の理解・認識をしていたに違いありません。「子供とその母親」には「子供と妻」とは異なる深い意味があってしかるべきなのです(ユダヤ人の習慣で「妻」という言葉を汚らわしい言葉として避けていたということもありません。聖書に「妻」という言葉を使っている箇所は枚挙にいとまがありません)。

以下の参考文献の中で、イエスは次のように宣言しておられます。「マリアは、お産の前にも、後にも、処女であり、彼女の魂は、神の霊だけに結ばれ、その霊の業によって、神とマリアの初子、私イエス・キリストを懐胎し、彼女の魂だけがヨゼフに嫁いだのである」と。

宗教改革者のルターもカルヴァンも、マリア神学について言えば、カトリック教会のそれと一致していました。ルターもカルヴァンもマリアの無原罪と終生の処女性を信じていたのです。それを否定する現在の福音派の教えの方が世間に受け入れられやすいですが、私たちカトリック信徒は、世間にあざ笑われようとも、カトリックの教えを忠実に守っていきたいものです。

参考文献:

『聖母マリアの詩』上(マリア・ワルトルタ著 フェデリコ・バルバロ訳編)

注:この参考文献によれば、ヨハネの福音書の7章に出て来る「イエスの兄弟」は、イエスの従兄弟のヤコボ、ユダ、シモン、ヨゼフのことで、マタイの仲間の弟子でした。

マリアは、ヨアキムとアンナの独り子だったので、聖書に照らすと、少なくともヤコボとヨゼフは、マリアの夫(許嫁)のヨゼフの兄のアルフェオとその妻マリアの子供だったということになります。

別の参考文献『イエズスの受難』によれば、十字架のそばには、イエスの母マリア、使徒ヨハネ、ラザロのマリアとマルタ、アルフェオのマリア、ゼベデオのマリアたちがいたと記載されているので、イエスの従兄弟たちの母マリアもいたということになります。

「その中には、マグダラのマリア、ヤコブとヨセフの母マリア、ゼベダイの子らの母がいた」(マタイ28・56)と記載されているので、矛盾はありません。なお、ゼベダイの子らの母は使徒ヨハネの母のことです。

「そこから進んで、別の二人の兄弟、ゼベダイの子ヤコブとその兄弟ヨハネが、父親のゼベダイと一緒に、船の中で網の手入れをしているのとご覧になると、彼らをお呼びになった」(マタイ5・21)。